2021.02.08
昨日の「ここ倫」の余勢をかって、もうひと作品。
「僕たちは、なぜ働くのか」
書店で見掛けて気になっていたので、甥っ子に図書館に有ったら借りて来てくれるように頼んでいたのだ。
しかし、作者の前書きを読み始めたら、一気に読む気が失せた。
書店で購入しなかったのは、この懸念があったからだ。
案の定と思ったのは
「それにしても、なぜ勉強するのでしょうか。
私も子供の頃、なぜ勉強しなければいけないんだろう?と悩んだことがあります。
大人に聞いたら、大人になったらわかるよ、と言う返事でした。
これって答えになっていませんよね。
でも、私も大人になったら、良く分かりました。
それは、大人になった時に働く事が出来る力をつける為なのです。」
のところ。
期待しただけに、有り得ると思っていたものの、落胆が大きいぞ、これは・・・。
この間違いでは無いけれど大きな誤解が、世の中を悪くしている元凶だと思っているので、それを上書きしているようで、なんだか腹さえ立ってきた。
こんな大誤解が大手を振ってまかり通ているのは、日本だけなのではないだろうか。
もちろん、この誤解は、世界中に蔓延しているとは思う。
けれど、学ぶ理由が、それだけでは無い事を他国の人は知っているのも間違い無い。
いや、いくら何でも、まえがきだけで判断するのは早計。
聡明な著者が、誤解を態々上書きするはずが無い。
やはり全部読んでみなければ・・・。
でも気が重いのも間違い無い。
先日、国会で文科省の官僚が
「幸福度に基にした教育を目指したい」
と言っているのを聞いた。
ようやくではあるが、日本の教育の欠陥に気が付き、北欧の教育に学ぼうとする方針が始まったようだ。
これを聞いた時、雲間から光が射した気がした。
良いニュース。
アクティブラーニングも始まっているし、これは希望が持てそうだ。
ただ、ゆとり教育の前例もある。
おそらく間違い無く、歪んだ軌道に持ち込む輩が居る。
前車の轍を踏まないで欲しいと思う。
追伸
後で、ざっとだが飛ばし読みしたところ
「仕事をするのは、自分の生活の為」
などという、これも間違っている訳では無いが大きな誤解、天動説の様な幼稚な認識を正してくれているようだった。
どうやら良書である事は間違いなさそうだ。
でも、それだけに前書きの大誤解が残念。
スタートに齟齬があると、ゆくゆく弊害が起こるのは必定だと思う。
どうしたものか・・・。
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